株式会社MCAは、セルラーキャリアにおけるネットワーク運用・保守の動向を調査を実施し、その結果を「セルラーキャリアにおけるネットワーク運用・保守の現状と今後の展望」として取りまとめた。最終回となる今回は、ネットワークの運用・保守関連市場の課題をまとめてみたい。
レポートでは、ネットワークの運用・保守関連市場の課題として、(1)コスト削減対象になりがちな保守関連費用、(2)高水準で推移する施設保全費と通信設備使用料、(3)ネットワーク運用の自動化がもたらす人員削減などをあげた。
コスト削減対象になりがちな保守関連費用
元々、ネットワークオペレーションセンター(NOC)などのネットワーク運用・保守は会社に利益をもたらさない部門であり、キャリア各社はNOCにかける経費と安全対策とのせめぎ合いに苦慮している。
高水準で推移する施設保全費と通信設備使用料
現在、キャリア各社における施設保全費と通信設備使用料はそれぞれ8,000億円規模、7,000億円規模である。これらはキャリア各社がネットワークを運用・保守する上で、必要となる費用であるが、高騰は避けたいところである。そのため、キャリア各社はネットワーク運用の自動化トライアル、通信設備使用料の抑制を図っている。
ネットワーク運用の自動化がもたらす人員削減
今後、ネットワーク運用の自動化が進んでいくものとみられるが、自動化に伴う大幅な人員削減はキャリア各社の労働組合から激しい反発が予想される。これまでも通信機器ベンダがキャリアに対し、ネットワーク仮想化における人員削減提案を行ってきたが、キャリアからは反応が鈍いという。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて4月12日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
特集:セルラーキャリアのネットワーク運用・保守、その現状を探る
- ネットワークの運用・保守、キャリア本体・子会社に加え無線機ベンダなどが担う
- キャリア各社のネットワーク運用・保守関連市場規模、2017年度は1兆6272億円に
- キャリアのネットワーク運用・保守における課題
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