本誌既報の通り、通信キャリア各社の「キャリアショップ」は減少傾向となっている。今回は一歩踏み込んで、都道府県別の店舗数推移を整理してみたい。
削減数上位は大都市圏が中心も、ブランドによって異なる出店戦略
上の表は、過去2回実施した調査結果をもとに、店舗数の減少数が多い都道府県を取りまとめたものである。
減少数上位には、福岡や大阪、東京など大都市圏が並んでいる。もともと店舗数が多いエリアのため、店舗数を絞り込みやすい土壌があると言える。
ただし、ブランドによって出店戦略には違いも垣間見える。最も減少数が多かった福岡県を例に取ると、UQコミュニケーションズはプラス、NTTドコモは横ばいで、残るブランド(au、ソフトバンク、ワイモバイル)がマイナスとなっている。
店舗数が増加したのは10県のみ、地方も含め減少傾向に
ブランドによって動きは異なるものの、削減の動きは全国的な傾向だ。店舗数が増えたのは鹿児島県(4店舗増)や新潟県(3店舗増)など10県で、変動なしを除く31都道府県で減少を記録している。
既に回線契約数が国内人口を超えるまでに膨らみ成長が鈍化する中、端末の買い換えサイクルは長期化の一途をたどっている。さらにオンラインショップへのシフトという逆風もあり、キャリアショップの全国網維持は岐路に立たされている。
折しも、NTTドコモが自転車や充電器のシェアリングサービスなどドコモユーザー以外でも利用しやすいサービスを取り扱う実証実験店舗「d garden 五反田店」を18日にオープンさせるなど、各社の危機意識の高さがうかがえる。
ドラッグストアチェーン(各社2000店前後)を凌ぐ店舗網を持っている通信キャリア各社だが、今後どのように役割を再定義していくのか、新たな取り組みにも期待したい。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて4月19日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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