MCAは市場調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2019年版」を発刊した。そこで今回から、レポートをもとに携帯基地局市場の動向を取り上げていきたい。まずは、携帯キャリアの設備投資に焦点を当てる。
2018年度の携帯キャリア設備投資は約1.3兆円
2018年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5,937億円、KDDI(au)は3,276億円、ソフトバンクが3,200億円となり、UQコミュニケーションズ(UQC)とWireless City Planning(WCP)を合わせ、合計1兆3,200億円となりました。
大手3社は2017年度に比べ、投資を拡大していますが、NTTドコモは5Gプレサービスに向けた追加投資100億円と、さらなる災害対策に2年間で200億円規模の投資を行っており、実質、横ばいといえます。
楽天モバイルによる新規参入で投資が微増する2019年度
2019年度はNTTドコモが5,700億円、KDDI(au)は3,450億円、ソフトバンクが3,300億円、楽天モバイルは650億円を見込み、UQCとWCPを合わせた投資額は合計1兆3,800億円と拡大します。
投資総額をみる限り、キャリア各社による投資抑制は底を打ったといえ、楽天モバイルによる新規参入は通信業界にとって、追い風となっています。
5Gが本格化する2022年度は1兆5,000億円に拡大
今後の設備投資に関しては、NTTドコモが6,000億円未満、KDDI(au)は3,000億円半ば、ソフトバンクが3,000億円前半で推移するものと見込まれます。
UQCとWCPは投資抑制が見込まれますが、5Gの高まりとともに、携帯キャリアの投資も上向き、2022年度には1兆5,050億円まで拡大すると予測しています。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて9月25日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
特集:携帯基地局市場と設備投資の実態 2019
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