MCAは、昨年から今年にかけて通信建設工事市場の調査を実施し、その結果を調査資料「通信建設業者便覧 2020」として取りまとめた。前回に引き続き、同資料から通建工事市場の動向をリポートしたい。今回は市場シェアに焦点を当てる。
地場系統合で全国系大手3グループのシェアは約8割に急拡大
全国系による地場系通建業者の統合がシェアに大きな変動を与えている。大手通建業者45社における通信事業者向け通信建設工事の売上高を合算した結果、2018年度は1兆234億円の通建工事市場規模になった。統合前、全国系大手3グループのシェアは60%に過ぎなかったが、それぞれ7~8%のシェアが追加され、統合後のシェアは約8割にまで高まっている。
統合前も最大手はコムシスホールディングスであるが、協和エクシオやミライト・ホールディングスとのシェアは僅差であった。統合後もシェア差に大きな変動がなかったため、絶妙な振り分けであったといえる。
なお、元々、地場系通建業者はNTT工事が多く、これらを吸収した全国系大手3グループはNTT工事が強化される。しかし、今後、増加が見込まれる5G基地局工事への対応が課題とされ、地場系通建業者のモバイル系工事対応がカギとなる。
図:通信事業者向け通建工事市場の変化(出典:MCA「通信建設業者便覧 2020」)
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月2日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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