5Gサービス商用化や楽天の参入など、変化し続けているスマートフォン市場だが、今回は現在の競争構図について、検証していきたい。
3GまではMNO(Mobile Network Operator)である携帯キャリアが牽引するカタチで市場が拡大してきた。しかし、スマートフォンが主役となった4Gからは、アップルとグーグルがプラットフォーム競争繰り広げ、更には競争の硬直化を懸念した総務省の介入によりMVNO(Mobile Virtual Network Operator)の育成や端末と回線分離を断行したことで、携帯キャリアのポジションは相対的な低下がみられる。
前々回の弊社記事からも明らかなように、現在の主戦場はMNOからそれ以外にシフトしてきている。下図の「D」や「B」のゾーンだ。
現在のスマートフォン市場の競争構図出典:MCA
この両者のゾーンには、低価格を武器に多くのMVNOと、MNOのサブブランド(Y!モバイル、2020年10月からはUQモバイルが追加)、そして月2980円(税別)かかる月額料金を1年間無料にする「Rakuten UN-LIMIT」で契約者拡大を目指す楽天が競争を繰り広げている。
「Cゾーン」のMNOは法人向け5Gソリューション、大容量データプランや様々なサービスとのパッケージ化など高付加価値路線で武装し顧客囲い込みを急ぐものの、着実に一定量の顧客はそこからこぼれ落ち、「D」や「B」のゾーンへ流れるという道ができつつある。「D」や「B」の月額料金水準は3,000円以下とMNOの半分以下だ。
スマートフォン市場における次の注目点は、MNOによるサブブランドやMVNO戦略になるのかも知れない。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて7月23日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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