グラフで比較するキャリア決算(1):

20年4~6月期はコロナ禍で顧客流動性が低下、端末販売に急ブレーキかかる

通信キャリア各社の2020年度第1四半期決算が出揃った。そこで2回にわたり、各社の主要数値の動きを比較していく。初回は契約数と端末販売の動向を整理したい。

増加を続ける契約数とは裏腹に、急減した端末販売数

2020年6月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが8061.5万(前四半期比28.9万増)、KDDIが5924.3万(同60.0万増)、ソフトバンクが4613.1万(同35.3万増)となった。各社とも順調に契約数を伸ばした一方、スマホなどの端末販売には急ブレーキがかかった。

スマホ等販売数の前年同期比増減状況をグラフ化したところ、各社とも大幅減に見舞われたことが鮮明となった。中でもNTTドコモは、110.8万台減の198.7万台と急落した。吉澤社長は決算会見において、昨年度の第1四半期は新料金プラン開始前に端末がかなり売れたことも影響したとの見方を示した。

その意味では、19年度第2四半期に販売数が急増したことがグラフ上でも顕著なKDDIとソフトバンクは、その反動が今年度に起きる可能性もありそうだ。

端末販売が振るわなかった背景には、端末値引き規制や緊急事態宣言下での店舗営業自粛などが重なり、携帯電話会社の乗り換えが抑制された側面もある。各社の解約率は過去最低の水準にまで低下していることがその証左となろう。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて8月21日に公開された記事となります。
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