MCAは、8月から9月にかけて国内通信キャリア各社の「キャリアショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2020秋」として取りまとめた。前回に引き続き、調査結果を取り上げたい。今回は、都道府県別の店舗数動向と、営業状況に焦点を当てる。
今回から調査対象となった楽天モバイルを除く3キャリア5ブランドのキャリアショップ数について、前回(20年2月)と今回の調査結果を都道府県別に比較したところ、店舗数が増加したのは6県、増減なしが14府県、減少が27都道府県という結果になった。
前回同様、とりわけ都市圏での店舗減少が顕著となった。最大の減少幅を記録したのは東京都の13店減。愛知県、大阪府、埼玉県がそれに続いている。
キャリアごとの動きを細かく見ていくと、各ブランドとも、局所的にだが店舗増となっている県が存在した。最も顕著だったのがソフトバンクで、6つの県で店舗数が増加していた。他のブランドも1~3県で増加している。
キャリアショップの「定休日」は、全体の65.1%が「月1日」となっている。定休日に指定されている上位は、第2水曜、第2火曜、第3水曜の順となった。また、開店から閉店までの「営業時間」は、全店平均で9時間20分となった。
いずれも、前回調査時点と大きな変化は見られなかった。ただし、ここでの定休日・営業時間は、各店舗で予め定められたものを集計対象としており、臨時の休業や営業時間短縮は考慮されていない。コロナ禍による特別措置はデータに反映されていない点は留意いただきたい。
なお、営業時間については、ブランドによって大きく差が出た。NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI(au)の3ブランドは、その7割以上が9時間台に集中している。とりわけNTTドコモとKDDI(au)は、75%以上が10時~19時の営業時間となっている。ソフトバンクは、10~19時の店舗が6割弱、11~20時の店舗が1割強と分散している。
他方、楽天モバイル並びにサブブランドは9時間台の店舗は半数以下で、10時間台や11時間以上の店舗も散見された。これは、ショッピングモール等へ出店するケースが比較的多く、そのテナントの営業時間に足並みを揃える必要があることが一因とみられる。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて9月10日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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