MCAは2021年7月から8月にかけて通建業者に関する調査を実施した。その結果、国内主要748社のうち65%が東名阪地方に集中していることが判明した。
MCAが調査レポート「全国通信建設業者一覧2021年」にて取りまとめたデータによれば、全国の通建業者は関東地方が全体の269社36.0%でトップ、次いで関西地方が118社15.6%、東海地方が97社13.0%となっており、この3エリアで全体の約65%を占めている。九州は63社で8.4%、東北57社7.6%、北海道43社5.7%となっている。
通建業者は東名阪が中心となっているが、特に関東地方の中でも東京都の通建業者は他の道府県に比べ業者数が多く、通建工事の案件の多さから中心地となっている。
国内市場における通建業者の構成は独立下請系(2次請け以降の通建業者)が最も多く全体の71.9%を占め実際の通建工事を支えている。
一方元請けを含めた全国グループ系(コムシス、エクシオがともに39社で33.9%、ミライトが37社で32.2%)は全体の15.4%を占め、電力系が10.2%と続いている。
全国通建工事の状況は748社の内75.8%の567社が「基地局関連工事」に対応し、60.0%の449社が「固定系関連工事」、30.7%の230社が「CATV関連工事」に対応をしている。2020年より5Gの商用サービスが始まり5Gの基地局関連工事は増加傾向にあり、特に「関東」「関西」及び「東海」など都心部での「基地局関連工事」に対応している通建業者が多くなっている。
一方「甲信越」「中国」「四国」は「基地局関連工事」が多くなっているものの「固定系関連工事」との差はなく、「北海道」「東北」「北陸」「九州・沖縄」は「固定系関連工事」が多くなっており、地方都市はまだ光ファイバーの敷設工事が残っている場所もあり「固定系関連工事」に対応している通建業者が多くなっている。
今後も「基地局関連工事」は5G基地局増設工事があるため「固定系関連工事」に比べ増加するものと考えられる。
【調査概要】
2017年に発刊した「全国通信建設業者一覧」のデータをもとに、Webや社内データベースなどから通建工事(通建土木工事、ネットワーク工事のみに対応している通建業者は除く)に対応している事業者として748社(本社換算)の存在を確認した。実際には、これよりも多くの通建業者が存在すると推測されるが、この748社を主要通建業者として取り上げ、調査した。
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