MCAは、今年8月から9月にかけて国内通信キャリア各社の「キャリアショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2021秋」として取りまとめた。今回と次回の2回にわたり、同資料をもとに、国内におけるキャリアショップの全体像について整理したい。
楽天モバイルのMNO参入に伴う調査対象拡大により、一時的に店舗数は8000店台を回復し堅調に推移していたが、1年半で再度その大台を割り込む結果となった。
なお、当調査において、量販店などの販売窓口は「取扱店」と定義しており、キャリアショップ数に含めていない。
キャリアショップのブランド別シェアは、NTTドコモが2325店舗(29.2%)、ソフトバンクが2271店舗(28.5%)、KDDI(au)が2162店舗(27.2%)の順で、この3ブランドで85.0%を占めている。
今回の調査で、店舗数が大きく変化したのがワイモバイルだ。単独店であるワイモバイルショップは697店で、半年前の852店から155店(18.2%)の大幅減を記録した。KDDI(au)のサブブランドであるUQ mobileの店舗が45店増となったのと対照的だ。
ワイモバイルの単独店が急減した背景として、ソフトバンクショップにおけるワイモバイル取扱(併売)の拡大が挙げられる。実は、この半年間で、ワイモバイルを併売するソフトバンクショップの数は183店も増加した。
もう少し細かく、都道府県単位の動向を見ていこう。例えば福岡県では、この半年でワイモバイルショップが12店減り、他方でワイモバイルを併売するソフトバンクショップは12店増えている。このように、増減で差し引きゼロとなったのは青森県や千葉県、鹿児島県など21府県にのぼっている。
単独店は大きく削減する一方、削減分は併売店の増加で補い、店舗網効率化とタッチポイント維持の両方を推し進める姿勢がデータ上から読み取れる。
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