記者発表会ではまず、ゲオホールディングス 代表取締役社長 遠藤結蔵氏とNTTコミュニケーションズ 代表取締役 副社長 庄司哲也氏のより、今回の提携の狙いが披露された。

遠藤氏は、現在の主力事業であるメディアレンタルとリユースは「所有についてこだわらない、新品商品以外の形態」であるとし、中古携帯端末や格安SIMは「のびしろのある業界だと認識」していると語った。

格安SIMの販売は伸びているが、同社が有する約2000万人の会員数に占める割合はまだまだ低く、そのシェアを伸ばす上では同社単独ではなく通信事業者と提携して新たなサービスを展開するのがよいと考え、さまざまな選択肢の中からNTTコミュニケーションズと方向性が合致し、今回の提携に至ったという。 一方、NTTコミュニケーションズの庄司氏は、ゲオが持つ販売チャネルに期待を寄せる。
「直営で1000を超える店舗網、その多くが生活圏内で来店頻度の高いお客さまを抱えている」ことから、「OCN モバイル ONE」を知らない人、利用していない人にも親しんでもらいたいとした。

今後両社で相談がしやすいユーザーフレンドリーなサービス紹介の方法を模索し「レンタルのついでに買ってもらえるような新しい枠組みを追求」していきたいと話した。 続いて、両社の担当者より、今回のサービスに関する説明が行われた。

NTTコミュニケーションズ 取締役 ネットワークサービス部長 大井貴氏は「OCN モバイル ONE」を含むMVNO市場について「市場調査会社の予測を上回る勢いで拡大しており、揺籃期から成長期へとシフトしつつある」と語った。

市場拡大の要因は「まずは料金、やはりこれが最初のトリガー」としながらも、格安スマホやタブレット、ルーター、さらには中古端末など端末選択肢が多様化したこと、さらにはSIMロック解除義務化や販売チャネルの多様化も背景にあると指摘した。 続いて登壇したゲオ モバイル運営部 ゼネラルマネージャー 森田広史氏は、既に中古携帯端末の買取実績が150万台という現状について、借りて返すレンタル事業の顧客接点の多さ、家電や古着などのリユース事業を全国400店舗運営し蓄積されたノウハウ、多くの直営店舗をベースとした在庫量や人材教育、などが背景にあると説明した。

格安スマホの現状を「経済的メリットを押し出したEC販路での取り扱いが中心で、安いけれどキャリアのスマホとどう違うのか、一般の方々には伝わっていない」状況とし、今回のサービスでは店頭での手厚い接客で差別化していくと意気込みを述べた。

ゲオでは、SIMカードは30代・40代の男性が購入の中心で、SIM購入者の約40％が中古端末との同時購入という実績があるが、ゲオのレンタル会員分布で最も多い20代・30代や、エンタメシニア世代にも提案していくとした。 また、会見の最後に行われた質疑応答や囲み取材のなかで、現在の実績と今後の計画の一端が明らかにされた。主な発言は以下の通り。

・2015年度の端末販売台数目標100万台は「2014年度で30万台の（中古端末）販売実績があり、その3倍程度の成長を見込んだ。前期も同様の伸びを記録している」。100万台に占める新品の割合は「新品のスマートフォンを取り扱うのは初めてなので販売後の動きを見ないと分からない部分もあるが、10％程度は新品にしたい」（ゲオ 森田氏）
・「ゲオ×OCN SIM」の目標として「（セット販売では）目標台数100万台のうち2割程度にSIMが入れば」（NTTコミュニケーションズ 庄司氏）
・ゲオモバイル店舗は「（北海道が主力のそうご電器を買収して現在に至っている出自から）現状は北海道の店舗が多いが、4月3日には渋谷センター街店を開店するなど積極的に展開していく。政令指定都市や大都市を中心に3年以内に全国100店舗を目指す。」（ゲオ 森田氏）
・「今までリアル店舗におけるMNP受付はしていなかった。ゲオとの提携で初めて店頭受付が実現できる。」（NTTコミュニケーションズ 庄司氏）
・「ゲオは直営の店舗で、かつ知識を持った専門スタッフがおり心強い。MNP手続きでは個人情報を取り扱うため、よく分かっていない人が受け付けるというのでは心配。」（NTTコミュニケーションズ 庄司氏）
・「お客さまの利用スタイルにあったプランやサービスを提供することが差別化につながる。ゲオとの提携で、店舗での接客からニーズをくみ取っていきたい。」（NTTコミュニケーションズ 庄司氏）

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