SIMフリースマホの選び方から通信品質・MVNO施策まで幅広い内容の講演に(2)

対応周波数帯が少ないことで生じる影響は?
そして、選択のポイントの3つめに挙げられたのが「対応周波数帯」となる。

対応周波数帯を理解するためには、端末側とキャリア(基地局)側の両方の状況をおさえておく必要があるとし、堂前氏はHuaweiの「Ascend Mate7」を具体例として取り上げた。

Ascend Mate7のスペック表ではLTE、W-CDMA、GSMを含めて20種類の電波に対応することが明記されているが、利用キャリア(基地局)の周波数帯とマッチしなければ実際には利用できず、IIJmioが利用しているNTTドコモのネットワークと一致するのはBand 1やBand 19などに限られるという。

対応周波数帯が少ないことで生ずる影響について、堂前氏は都市部と地方に分けて解説を行った。

都市部の場合、2.1GHz帯(Band 1)に対応していれば圏外になることはまずないが、1.5GHz帯や1.7GHz帯に対応していないと混雑エリアでは通信速度が遅くなる可能性があるという。これは、通信が逼迫している場所への対策としてNTTドコモがBand 1以外の周波数帯も活用しているためで、それら周波数帯に対応していないと混雑対策の恩恵を受けられないのだ。

一方、山間部など地方については、800MHz帯(Band 6・19)を中心にエリアカバーしており、非対応の場合は圏外になりやすいという。実際、NTTドコモのウェブサイト上に掲載されいているサービスエリアマップでも「Xiエリア(800MHz)」「FOMAプラスエリア」とその他の周波数帯とは色分けして掲載されており、800MHz非対応機種ではどのエリアが利用できないか明確にされている。

周波数帯に関して堂前氏は「Band 1に対応していれば都市部でおおむね使える」「周辺地域も利用する場合はBand6・19対応機種が望ましい」「それ以外のバンドについては対応していると混雑時でも快適に使える可能性が高まる」とまとめていた。

講演資料

IIJ主催イベント『IIJmio meeting』取材記事
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