SIMフリースマホの選び方から通信品質・MVNO施策まで幅広い内容の講演に(4)

速度など「快適性」だけでなく、いつでも使える「持続性」も
通信品質における重要なファクター
最後に登壇した大内氏は「IIJmioの通信品質について」とのタイトルで講演を行った。
IIJ 大内氏
通信サービスの品質というとスピードテストの計測を思い浮かべる人も多いだろう。確かに、スピードテストで捉えられる速度や遅延の有無、パケットロスなど、快適性の観点からの品質(=「通信品質」)もあるが、大内氏はそれだけが品質ではなく「可用性」も品質の項目であると指摘した。

可用性とは、サービスが利用できる状態であること、また、障害発生時に迅速に復旧できるかどうかを示すものである。言い換えれば、利用者が使いたいときには使える状態にあるか否か、という持続性の観点からの品質である。

講演資料
持続性の観点からの品質、可用性維持への3つの取り組み
可用性を維持するためにIIJが行う取り組みは大きく3つあるという。

1つは万が一に備えて代替用の設備を用意しておく冗長化で、IIJでは「MNOとの接続」「インターネット接続」「モバイル設備(ゲートウェイ、サーバ類)」で設備を複数もち、1つの設備が故障しても残りの設備でサービスが維持できるようにしているという。

2つめは障害発生時の対応で、異常を早期検出できるよう機器の稼働確認やログ監視を行うほか、IIJ側では監視できないMNO側での問題の早期把握のためtwitterや2chも参考にすることがあるという。なお、対応にあたるのは、IIJでモバイル設備の開発・設計・構築・テスト・運用を担当するエンジニアチームとのこと。

3つめはその他の対応で、新たな設備・サービスを導入する際の事前確認を徹底させたり、障害発生時の状況を後日調査し、原因の追求と再発防止策を必ず検討するという。

講演資料

IIJ主催イベント『IIJmio meeting』取材記事
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